「看護師の仕事が忙しくて、子どもとゆっくり過ごせない」「子どものために転職したいけど勇気が持てない」
このように考えたことはありませんか。
看護師が子育てと仕事を両立させることは大変なものです。
働く場所によっては子育て支援が充実しており、働きやすい職場を選ぶことで、子育て中の看護師の負担を軽減できます。
この記事では、子育て看護師が抱きやすい悩みや働きやすい場所、求人を探すポイントを解説します。最後まで読んでいただき、理想の働き方を実現しましょう。
子育て看護師のよくある悩み4つ

子育て中の看護師は家事、育児、仕事とたくさんのタスクを抱え、悩みはつきものです。
よくある悩みを4つ紹介していきます。
残業ができない
子育て中の看護師は残業ができないと悩みがちです。
その理由は、定時に退勤できなければ、子どものお迎えの時間に、間に合わない可能性があるからです。
例えば、定時が17:00でお迎えの時間が18:00となっているケースもあり、慌てて迎えに行っている看護師もいるでしょう。
しかし、看護師の仕事は、急患や急変など突発的な出来事が多くあります。
ほかにも、記録物や委員会での仕事、ナースコール対応など多岐にわたる業務を対応しなければなりません。
段取りを考え動いていても、なかなか定時に帰れないことも多い現状です。仕事を残して帰ることに、心苦しく思ってしまう看護師もいます。
休日出勤や夜勤ができない
平日保育園に預けていても、日、祭日は休みの保育園がほとんどです。夜間は夫の協力のもと働けたとしても、寝ている子どものそばについていたいと思うものです。
24時間体制の病棟や急患対応が多い救命救急センターなどで働くことは難しく感じてしまうかもしれません。
子どもの体調不良で休まなければならない
看護師の悩みのひとつに子どもの体調不良により、急な休みが必要となることです。
というのも、保育園で生活をしていると、子どもは、感染症にかかることもあり、体調を崩すこともあるからです。厚生労働省の調査によると、全職業の有効求人倍率は1.19倍である一方で、看護師は2.20倍です。
看護業界は人手不足の中であるため、突然の休みは、同僚に負担をかけてしまいます。そのようなことから「両立できない。辞めたほうがいいのかな」という思いが出てきます。
参考文献 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況
家事育児の時間がとれない
子育て中の看護師は家事、育児の時間がしっかりとれないと悩まれる方も多いです。
その理由は突発的な業務も多い看護師の仕事は、残業が多くなることもあり、帰宅時間が遅くなるからです。
帰宅後も、食事、お風呂、寝かしつけなどのたくさんの仕事に追われます。常にマルチタスクをこなし、ほっと一息つく時間も持てないと、心の余裕がなくなってしまいます。
子どもとゆっくり過ごしたい、家事育児にもっと時間を費やしたいと思うこともあるかもしれません。
子育て看護師の働きやすい場所7選

子育て中の看護師はどのような場所がはたらきやすいのでしょうか。
残業が少なく、日曜祝日が休みである、働きやすいと言われている7つの場所を紹介します。
クリニック
クリニックは夜勤がなく、日曜祝日と固定で休みやすいため、子育て中の看護師におすすめです。また、週2回の4時間勤務といったパート勤務の働き方もできる可能性があります。
次のような完全予約制のクリニックの場合は、残業も少ないと言われています。
専門性も高くその分野に特化したスキルや知識が求められるため、興味のある方はおすすめです。
- 美容皮膚科
- 透析科
- 心療内科
- 糖尿病内科
- 消化器内科
しかし、クリニックの場合、看護師の人数も少ないこともあるため、面接のときに急な休みの対応はどうしているのか、子育てをサポートする仕組みがあるのかなど、確認が必要です。
療養型病院
総合病院と比較すると状態の安定している方の多い療養型病院は残業が少ない傾向にあります。
看護師の人数も確保されている場合も多く、休みに対応しやすい利点もあります。
夜勤免除やパート勤務など柔軟な働き方もできるかもしれません。
また併設している託児所や保育園がある可能性もあるため、確認しましょう。
訪問看護ステーション
訪問看護は夜勤もなく、就業時間も基本的に規則的で、働きやすいと言われています。
直行、直帰できる事業所もあり、時間の短縮にもなります。在宅で一人ずつじっくり向き合える看護は訪問看護の魅力でしょう。
しかし、オンコール体制をとっている事業所が多いです。常勤の場合オンコールへの対応が求められるため、常勤で働くのか、パートタイムで働くのか、よく検討しましょう。
参考文献 訪問看護
介護施設
介護施設は生活の場であるため、病院に比べると突発的な出来事や残業は少ない傾向にあります。
利用者とじっくり向き合う看護が行えるでしょう。
また、オンコール体制をとっている施設も多いため、負担が軽減されやすいです。訪問看護ステーションと同様に、オンコール体制に対応しなければならないのか、よく確認しましょう。
参考文献 介護老人福祉施設 (参考資料)
デイサービス
デイサービスは夜勤やオンコールがなく、日曜祝日も休みであることが多いようです。
突発的な出来事も少なく残業も少ない傾向にあります。自宅で過ごす状態が安定した人が多く、精神的に負担も少なく、ライフスタイルを保ちやすい働きかたができます。利用者とのコミュニケーションを楽しみたい方にはおすすめです。子育てとの両立がしやすい環境でしょう。
検診センター
検診センターも日曜・祝日と休みがほとんどです。またルーチンワークも多く、予約の人数も決まっているため、残業も少ないと言われています。子どもと休日が合い、残業が少ないため子育て中の看護師が働きやすい場所といえるでしょう。
保育園
保育園も、日曜祝日と閉園している場所が多く、固定で休みやすいでしょう。
突発的な出来事がない限り、残業は少ない傾向にあります。子どもたちの成長を近くで見れ、子育て経験も活かせるため、子育て中の看護師におすすめです。
子育て看護師の職場探しのポイント

実際に職場探しをする際、どのような点に注意し行うとよいのでしょうか。
確認すべきことを5つ紹介します。
子育てに理解のあるのか
子育て中の看護師はいるのか、また看護師の人数が少なすぎる職場でないか確認してみましょう。というのも、看護師の人数が少なすぎると、子どもの体調不良や行事の際に休みにくくなるからです。
休日の休みも大切ですが、平日、保育園や小学校などの行事に合わせてお休みができるかも大切です。
院内保育所はあるのか
病院の看護師が預けられる院内保育所は、子育て中の看護師の強い味方です。
送迎の時間も省け、そばにいる安心感もあるでしょう。不規則な勤務で働いている病院職員に合わせ、夜間保育をおこなっている保育園もあるため確認してみてください。
勤務形態は柔軟であるか
勤務形態は次のようなものがあげられます。
- 正社員
- 時短正社員
- 正社員夜勤免除
- パートタイム(フルタイムか短時間)
パートになると、経済面での不安はがあるかもしれません。
正社員でも6時間の勤務や、夜勤を免除される場合もあります。
子育て中の看護師がどのような働き方をされているのか、確認してみましょう。
参考文献 育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省
家から遠すぎないか
職場の場所はとても大切です。通勤時間を減らせれば、それだけ余裕がうまれて、家事、育児の時間に費やせます。保育園や、学童保育の場所と合わせて検討しましょう。
教育体制は十分であるか
今までの領域でない場所への転職は、知識やスキルの面で不安に思うこともあるかもしれません。時間に制限がある子育て中の看護師は、勤務後や休日に勉強会に出席することは難しいでしょう。教育面でのサポート体制はどの程度あるのか、確認しておくと安心です。
子育て看護師が理想の働き方をみつけるためのポイント

今自分はどんなことに困っていて、どのようにしていきたいのか考え、整理してみましょう。
- 出勤できる日数、出勤時間はどの程度なのか
- 協力できる家族はいて、どの程度サポートできるのか
- 自治体のサービスは検討しているのか
- お給料はどのくらい必要なのか
- 自分の好きな領域、やりたいことは何なのか
そのうえで、見学や面接を行い、不安な点を解決していけたらいいですね。
子育てや家事をしながら、はたらくことはとても大変です。
残業や休日出勤、夜勤など、子どものいない時に当たり前にできていたことが出来なくなることもあるでしょう。
家事、育児、仕事すべてに完璧を求めすぎず、周りの力も借りることも大切です。
子どもの発達に合わせて、働き方を変えられるのは、看護師の大きな強みです。ライフスタイルに合わせながら、そして、自分らしく働ける場所を見つけていきましょう。
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